Windows の起動が体感5倍になった — 複数台のうち1台だけやった起動チューニング
2026-06-11 / 第17号 / 公開時点では下書き
うちには用途別に複数台の Windows PC がある。そのうちの 1 台、Dell のノートだけ、電源を入れてからデスクトップが使えるようになるまでが妙に長かった。体感ではなく実測で、起動に約 54 秒。毎回その場で待つわけではないにせよ、使うたびに「待たされている」感覚があった。
今回はこれを Claude に診断させて、起動チューニングをやらせてみた話。結論から言うと、体感で約 5 倍 速くなった。
診断:犯人は「即時起動」の常駐サービス群
まず現状を調べさせた。意外だったのは、重い常駐アプリ(クリエイティブ系スイートの常駐やブラウザの自動起動など)はすでに無効化済みだったこと。高速スタートアップも有効。つまり、よくある「Windows 起動高速化 Tips」をやり尽くした後の 54 秒だった。
残っていたのは、Windows と同時に「即時」で立ち上がる Microsoft 以外のサービス群。内訳を見ると、大半が次の 2 種類だった:
・更新チェック系:Adobe / Google / Logitech などの「アップデートが来ていないか見張る」だけの常駐サービス
・プリンタ常駐系:印刷もスキャンもしていない時間もずっと待機している、プリンタメーカーのサービス一式
どれも「あれば便利」ではある。ただ、起動と同時に動いている必要はない。更新チェックは後からでいいし、プリンタのサービスは印刷するときに起きてくれればいい。
やったこと:消さない。「起動時に読まない」だけ
対処はシンプルで、これらのサービスを自動起動から手動起動に切り替えた。アンインストールはしていない。サービスの実体は全部残っていて、必要になれば(印刷時など)オンデマンドで起動する。
あわせて、スタートアップ項目を 2 件だけ無効化した。日本語 IME のプリランチャー(IME を先読みで立ち上げておくための常駐。IME 本体は普通に使える)と、プリンタの状態監視ツール。
逆に、判断が割れそうなもの(クラウドストレージ関連のランチャーなど)は触らずに保留にした。効果が小さい割に普段使いへ影響しうるものは、AI に勝手にやらせない。
一番大事にした設計:全部、一発で戻せる
今回 Claude に最初から指定したのは「すべて可逆にする」こと。変更を適用するスクリプトと同時に、元に戻すスクリプト(REVERT 用)を自動生成させた。何をどう変えたかのログも一緒に残る。
だから、もし後から「プリンタの調子がおかしい」「何かの更新が来ない」となっても、リバート用のスクリプトを 1 回実行すれば変更前の状態に戻る。「消す」のではなく「起動時に読まない」だけ、という方針もこの安心のためで、システムから何かが失われたわけではない。
もうひとつ。実行中のサービスはその場では止めず、次回起動から効く形にした。作業した瞬間に何かが壊れるリスクを避けるためで、これも可逆性とセットの考え方。
結果:体感で約 5 倍
正直に書くと、変更後の起動時間をストップウォッチで厳密に測り直してはいない。だからこの数字は体感ベース。ただ、複数台を日常的に使い分けているからこそ分かることがあって、チューニングしたこの 1 台だけ、電源ボタンからデスクトップまでの「待ち」が明らかに短い。体感で約 5 倍、と言いたくなる差がある。
プラセボでは?と言われそうだが、何もしていない他の PC という比較対象が毎日手元にある。差は分かる。
後日談:監査の AI に「これは意図的」と教えてある
うちでは、AI が毎週金曜に PC 群の構成をチェックする週次 PC 監査を回している。サービスの起動設定が変わっていれば、本来は「構成が変わっています」と検知される側の変更だ。
そこで、監査側のルールに「これらのサービスが手動起動になっているのは意図的な変更。異常ではない」とあらかじめ教えてある。設定を変えた AI と監査する AI が同じメモリを共有しているので、変更と、その理由の記憶がセットで残る。半年後の自分が「なんでこのサービスだけ手動なんだっけ?」と悩まなくて済む。設定変更のたびに記憶も一緒に更新される、というのは AI 運用のかなり実用的な利点だと思う。
正直な留保
残りの PC にはまだ展開していない。同じ変更を流せる準備はあるが、まずこの 1 台でしばらく運用して、印刷や更新まわりで困ることが出ないかを見てから。横展開を急ぐ理由は何もない。
起動の 54 秒は、1 回あたりで見れば小さい話だ。ただ「遅いのが普通」と思って我慢していたものが、AI に頼んだその日のうちに解消して、しかもいつでも戻せる。この種の小さい摩擦は、頼むコストが下がった今こそ拾い直す価値があると思っている。