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ドメインだけあった rooo.pro を、Claude と一日で公開した話

2026-05-04 / 第1号 / 公開時点では下書き

今日、rooo.pro を公開した。
正確に言うと、いまあなたが見ているこのサイトが、その第一歩そのものになる。

ドメインを取ったのは数ヶ月前のことで、それ以来ずっと、「いつか何かを作ろう」と思いながら何もしていなかった。中身を考える前に手が止まる、というのはよくある話だが、私の場合は中身どころか、ジャンルもターゲットも、何ひとつ決まっていなかった。

それが今日、急に動いた。
Claude(Anthropic の AI)に話しかけたら、夕方までに公開まで進んでしまった。
この記事は、その一日の作業ログ。何があり、何をどう判断し、どこで詰まり、どう抜けたか。


「総合的に管理運営したい」と投げた

朝、私は Claude にこう投げかけた。

rooo.pro を総合的に管理運営していきたい

書いてから自分でも気づいたが、これは中身が空っぽの問いだ。「総合的に管理運営」と言いつつ、何を管理運営するのかが私自身よく分かっていない。

Claude は、それを察したように、まず「rooo.pro とは何か」を聞き返してきた。
Web サイトなのか、事業名なのか、アプリなのか、メディアなのか。
私は「メディア/ブログ」と答えた。

次に「総合的に管理運営とは、具体的にどの領域か?」を聞かれた。
コンテンツ運用、技術運用、業務オペレーション、戦略・企画。
私は「コンテンツ運用」を選んだ。

そして「現在の課題は?」と聞かれて、4つ全部にチェックを入れた。
継続的な発信が続かない/成果が見えない/一人で回しきれない/方針・ターゲットが曖昧

ここまでで私は、自分が「すべての項目で困っている」ということに気づかされた。

Claude が立派な設計書を出してきた、その瞬間

Claude は丁寧な「運営設計書」を提案してくれた。
方針 → 企画 → 運用 → 計測の 4層モデル を上から組み立てて、KPI まで設計するもの。

よくできていた。
だが読みながら、私の中で何かが引っかかった。
そして気づいた。

私には、まだ何も決まっていない。

設計書はよくできていた。でもそれは「すでに何かを動かしている人」のための設計書だった。
私の状況はもっと手前 ── ドメインだけがあって、サイトすらない。

私はそのまま、思いつきを書いた。

今思いつきました、現在は本当に何も決まっていない状態唯ドメインを持っているだけの状態。ここからどうなっていくのかを発信していきたい。この本当に何も決まっていないところからはじまる

我ながら粗い文章だが、書いた瞬間、これが今日の一番大事な決定になった。

Claude の応答は、私の予想を超えていた。
さっき出してきた立派な4層モデルを引っ込めて、設計書を書き直し始めた。
完成形を目指す設計から、「決まっていく過程自体をコンテンツにする」設計 へ。

数分後、私はさらに一文を足した。

この現在のやり取りも発信していきたい

これが、いまあなたが読んでいるこの記事の、生まれた瞬間だ。

手元にあった4つだけ

設計の話が落ち着いて、Claude が「rooo.pro のためにいま手元にあるものは何か」を整理した。
書き出してみるとたった4つだった。

1. ドメイン rooo.pro(数ヶ月前に取得、放置)
2. GitHub アカウント
3. Cloudflare アカウント
4. Claude(思考の相棒)

サーバーは無い。CMS も入れていない。デザインも編集も無い。
逆に言えば、この4つだけで動かせる構成にすれば、今日のうちに何かを公開できる。

Claude の提案はこうだった。
CMS は使わない。GitHub にファイルを置き、Cloudflare Pages が自動でデプロイする。 Markdown ベース、月額 0 円、リポジトリの commit 履歴がそのまま「思考の変遷」になる。

同時に、build-in-public(作業過程を公開しながら作る)という言葉も初めて意識した。
リポジトリ自体が公開されていれば、いつ何を変えたかが世界に見える。たとえ静かに見えていなくても、そこに記録が残ること自体に意味がある。

旧サイトを白紙化する

ここで一つ、思い出したことがあった。
数週間前、試しに rooo.pro で簡単な静的ページを公開してみたことがあったのだ。GitHub に試作リポジトリを作って、Cloudflare Workers にデプロイしただけの「Coming Soon」レベルのページ。それが今日まで残っていた。

これを白紙に戻して、新しい構成に置き換える必要がある。

判断が分かれる場面だった。完全に削除するか、アーカイブして残すか
私は迷わずアーカイブを選んだ。試作とはいえ動いた記録だ。消す理由がない。
GitHub には「アーカイブ」機能があり、リポジトリを read-only に固定できる。データはそのまま残り、誰も触れなくなる。

旧リポジトリを rooo.pro-v0-archive という名前にリネームしてから、アーカイブ。
Cloudflare 側の旧 Workers プロジェクトはそのまま削除した。

これで rooo.pro という名前と、rooo.pro ドメインの両方が、自由になった。

ファイルを GitHub に上げるところで詰まった

新しい GitHub リポジトリを作って、ローカルで用意していたファイル(README、運営方針メモ、第1号記事のドラフトなど計6ファイル)を上げる段階で、最初の壁にぶつかった。

Claude が私のブラウザを直接操作する仕組みがあって、それでドラッグ&ドロップやリポジトリ作成までは進められた。
でも ファイルアップロードだけは「Not allowed」と拒否された。安全のため、ブラウザ拡張側で意図的に止められているらしかった。

ここで Claude が代替案を出した。GitHub の Personal Access Token(API キーのようなもの)を私が一度だけ発行して、Claude に渡す。Claude はそれを使って GitHub の API 経由でファイルを直接 push する。終わったら即時に破棄。

少し緊張した。トークンはパスワードに近いもので、リポジトリへの書き込み権限を持つ。
だが、設定で「このリポジトリだけ」「Contents の Read and Write だけ」「30日で失効」と最小権限に絞れることが分かったので、発行した。

Claude はそのトークンを環境変数として一度だけ受け取り、6つのファイルを2つの commit にまとめて push し、最後にトークンの存在をメモリから消した。
私はそのまま GitHub 側でトークンを Revoke(取り消し)した。

API 経由のため、ブラウザ操作よりもむしろ早かった。
全工程で 30 秒もかかっていない。

Cloudflare Pages でドメインを紐付ける

GitHub 側が整ったあと、Cloudflare 側に移った。
やることは3つ:

1. 旧 Workers プロジェクトを削除
2. 新しい Pages プロジェクトを作って、新しい GitHub リポジトリに繋ぐ
3. カスタムドメイン rooo.prowww.rooo.pro を Pages に紐付ける

ここでもう一段、引っかかりがあった。
新しいリポジトリを Cloudflare に表示させるには、Cloudflare の GitHub アプリの「アクセス許可リポジトリ」を更新する必要がある。これも私の側で1クリック許可するだけで済んだ。

Pages プロジェクトを作って、ビルド設定は何もしない(静的 HTML を直接配信するだけなので、build command も output directory も最小設定)。
カスタムドメインを追加すると、Cloudflare が DNS レコードを自動で書き換える。
SSL(HTTPS)も自動で有効になる。

数分後、https://rooo.pro/ にアクセスすると、私が書いた index.html が表示された。

公開された。

最後にゴミが残っていた

ところが、よく見ると本文に変な文字が混じっていた。p>div> が、地の文の中に出ていた。

原因はすぐに分かった。GitHub の Web エディタには「閉じタグ自動補完」機能があって、HTML を入力していると勝手に余計な閉じタグを足してくる。それを削るときに、私が消し過ぎたり消し足りなかったりして、断片が残っていた。

修正のために、もう一度 Personal Access Token を発行し直し、Claude が API 経由でローカルの正しい内容に丸ごと差し替えた。
そしてまたすぐ Revoke。

そして再読み込みしたら、ゴミは消えていた。

振り返ると

ここまで、たぶん半日くらいの作業だった。
やったことを並べると、技術的には大したことはない。

・旧リポジトリのアーカイブ
・新規リポジトリ作成
・6 + 1 ファイルの push(API 経由)
・旧 Workers 削除
・Pages プロジェクト作成
・カスタムドメイン紐付け
・バグ修正(CodeMirror の自動補完が原因)

でも、私の手元では同じ作業を「いつかやろう」と数ヶ月先延ばしにしていた。
今日、何が違ったかと言うと、Claude に話しかけたところから、すべての判断が連続して進んだことだ。

Claude が偉かったというより、Claude に話しかけることで 自分の決められなさ が顕在化したのが大きい。
「コンテンツの方針が決まらない」と思っていたが、本当の障害は「コンテンツ以前に技術構成が決まらない」「決まらないこと自体を恥じている」だった。
全部口に出してしまえば、決めるのは案外早い。

このサイトでこれからやっていくこと

このサイトでは、これと同じように 「いま自分が何をやっているか」 を書き続けてみようと思っている。
何を書くかをあらかじめ決めるのではなく、何かをやり、それを書く、その順番。

ロゴはまだない。デザインも仮置き。テーマも輪郭が薄い。
でも、それぞれが少しずつ決まっていく過程を、ここに置いていく。

完成形を期待しないで読んでほしい。
むしろ揺れて、戻って、書き直していく過程を見てもらえたら嬉しい。

次回更新は、来週の同じ曜日のつもり。
書くことが思いつかなければ、「書くことが思いつかなかった」と書く。
それも作業ログだから。